高速道路の料金は、13区分に細分化された車種を基本的に次の5区分に括ってそれぞれ徴収しています。その5区分とは、軽自動車等、普通車、中型車、大型車、特大車で、料金比率は普通車を1として軽自動車等が0.8、中型車が1.2、大型車が1.65、特大車が2.75。二輪車は軽自動車等の等に含まれていて、普通車の料金×0.8が適用されています。また、二輪車のみの料金区分はないので、正確な通行台は把握されていません。

 国土交通省によれば、この区分は車両が道路を傷める損傷度等から決めているとのこと。そして二輪車については、1 走行時に軽自動車と同様に一車線を必要とし、交通安全上必要な車間距離を確保して走行する必要があること、2 法定最高速度は他の車種と同様に100キロであること、3 照明、標識等に要する費用や道路巡回費用等に関して他の車種と同様の負担をおこなうべきであること、という考え方を総合的に勘案した結果、軽自動車等に分類されています。

 ちなみに、高速道路料金の決定の際に基本となる料金負担の考え方は、昭和47年10月から昭和63年10月までは、車両重量と道路占有面積等を勘案、昭和63年10月以降は占有者負担(車長と速度)、原因者負担(建設費と維持管理費)、受益者負担(走行便益と時間便益)を勘案して決定されています。

 日本自動車工業会によれば、タイヤ1輪あたりの平均輪荷重は普通車が369.75kg、軽自動車が219.75kg、二輪車は105.5kgとされています。また、土木学会によれば、路面損傷度は車両の輪荷重の4乗に比例、橋梁については12乗に比例すると試算されています。これらの数字に基づいて計算すると、二輪車の路面損傷度は普通車の三百分の一以下でしかありません。さらに、二輪車の占有面積は普通車の四分の一、軽自動車の三分の一以下、総重量は普通車の七分の一以下で、乗車定員も普通車と比べて数分の一となります。

 税金や保険等の二輪車にかかる料金は、普通車や軽自動車から独立した設定になっているものが多いのが現状です。

 人の手で料金を徴収していたころと違って、現在ではETCが普及しており、徴収業務労力は少なくなっています。普通車の0.8掛けで軽自動車と同額の二輪車の高速道路料金について、その比率が本当に適正であるのか、そろそろ再考する必要があるのではないかと感じます。みなさんはどう考えるでしょうか。