北海道電力が今年の4月からコッソリと始めていた風力発電設備の出力変動緩和対策に関する技術要件が酷いことになっている。簡単に言えば、「風力発電は風の強弱や有無で出力変動するので蓄電池を付けて下さい。」ってことなのだが、この技術要件が再エネに求めるようなシロモノじゃない。

 短周期は、「全ての時間において、発電所合成出力の変化速度を発電所定格出力の1%以下/分」で、長周期は、「以下の指定時間帯において、発電所合成出力の変動方向を制御。・7時~10時:発電所合成出力を減少させない・11時30分~13時30分:発電所合成出力を増減させない・16時~19時:発電所合成出力を減少させない・20時~23時:発電所合成出力を増加させない。」としているのだが・・・。

 短周期の数字は火力発電所のような数字だし、長周期は風がなぜ吹くのかという自然の摂理をまったく無視している。この出力変動緩和対策を満たす蓄電池は必然的に、超大型で超高額ということになるので実質的に「風力はやるな!」と言っているのと同じことだ。

 北海道電力は変動電源に対応する電源が乏しいので、他の電力会社(旧一般電気事業者)に比べに再エネに厳しい技術要件を求める背景は分らなくもないが、それにしてもこんなスペックを風力に求めていては、「ほくでんは2流電力会社です。」と自ら言っているに等しい。建設中のLNG火力を含め最大級の努力を積み重ねて、こんなバカげたスペックを求めるのは一刻も早く止めた方が良い。こんな技術要件を認めたエネ庁は何を考えているのだろうと思って複数のエネ庁職員に、「ほくでんが4月から始めた再エネいじめはエネ庁がバック?」と聞いてみたのだが・・・。

 そう遠くない将来に技術要件が改善されることを期待している。