高速自動車道などの自動車専用道への歩行者・自転車等の立入は法律(道路法第48条、高速自動車法第17条)によって禁止されている。それにもかかわらず、こうした立入は後を絶たず平成24年中の高速道路交通警察隊の取扱い件数は全国で2018件にもなっている。これは警察隊の取扱い件数のみの数字なので、通報ベースではもっと多くなりNEXCO東日本だけでも1年で1500件ほどもある。
この中でも特に多いのがわが千葉県の京葉道路で268件となっており、第2位の第三京浜道路の170件を大きく上回っている。千葉県内のみを見ても第2位の東関東自動車道が60件なので、4倍以上となる京葉道路の発生件数がいかに群を抜いているか分かる。過去数年間を見ても、平成21年度が273件、平成22年度が242件、平成23年度が247件、そして平成24年度が268件と殆ど横ばいで推移しており、改善しているとは言い難い状況が続いてしまっている。
これにはいくつかの要因があると思われるが警察隊の確保場所(逮捕ではない)を見ると、篠崎~市川22件、原木~船橋28件、花輪~幕張44件となっており、これらの区間だけで全体(約110件)の85%にもなるところにひとつのポイントがある。これらの区間は料金所や監視員がいないという共通点があり、このことが立入を容易にしてしまっていることは想像に難くない。この立入について報じた千葉日報の平成25年10月23日の記事によると、立入理由は「近道だったので通った」など一般道で回り道したくないという悪質な事由も多い。
立入は重大事故につながる大変危険な行為であり、早急な対応が求められるので警察は・・・と調べてみてもう一つ分かったことがある。それは、立入った者を警察はダイレクトに逮捕できないということ。これには私も驚いた。道路法や高速自動車道法の立入についての規定は以下の通りで、「国土交通大臣(道路管理者)は、前条第一項の規定に違反している者(立入者)に対し、行為の中止その他交通の危険防止のための必要な措置をすることを命ずることができる」となっている。つまり、立入者に「出て行ってください」と命ずることができるのは国交相や道路管理者であり、警察にはダイレクトな規定がないのだ。さらに、「出て行って」と命じたときに立入者が素直に「はい、出て行きます」となると、道路管理者も警察もすぐに捕まえることができないということになっている。
安易に侵入できないように物理的な対策をするのと同時に、立入ると逮捕も含め厳罰に処されるという抑止力のある法整備が必要だ。大きな事故が起きてからでは遅い。2月26日の委員会ではこの問題について質問をし、太田大臣から「認識がなかった、研究させてもらう。」との答弁をもらった。早急な改善が必要だ。