2014年4月のWindowsXPサポート終了により、不正プログラム感染や不正アクセスによる情報漏えい等のリスクが高くなるという問題に多くの自治体が直面している。この問題を所管する総務省によれば、全国の都道府県と市町村(1789団体)が保有するパソコンは2,031,256台。そのうちXP搭載機が722,166台あり、このうちサポート期間終了までに更新が完了しない台数は266,231台もあるそうだ。これらのパソコンについては早急に更新するよう要請しているが、やむを得ず更新できない場合は、当該パソコンの使用停止やネットへ接続しないよう求めていく。ちなみに、更新費用については地方交付税の対象となっており、総務省としては係る経費は既に自治体へ支出済みという考え方で、新たな財政支援策は講じられていない。
セキュリティーの観点から住民基本台帳や税業務データのバックアップについても調べてみたところ、全国1742市区町村の全てでバックアップをちゃんと取っていた。これで一安心と思いきや、70%もの自治体がシステム機器のある場所と同一庁舎内にバックアップデータを保管していることが分かり愕然。東日本大震災による行政データの被害を鑑みても、同一庁舎内でのバックアップが本当にバックアップと言えるのか大いに疑問だ。ちなみにそれ以外の回答は、システム機器のある場所と異なる庁舎等が16.1%、当該都道府県内の民間施設が23.8%、当該都道府県外の民間施設が17.8%となっている。
「システム機器がある場所と異なる庁舎」はどういうケースか総務省に聞くと、同一市区町村内にある分庁舎などを想定しているとの回答。いやいや、災害時相互応援協定などを締結している都道府県外の自治体の庁舎も想定されるわけで、所管省としてこうした点をしっかりと正確に把握しないと対応できない懸念があると指摘する。総務省としても必要性を感じるとのことで、来年度のアンケートから回答の選択肢を増設するとのことだった。
地方分権のさらなる推進のためにも、自治体のセキュリティーレベルの向上は必須で急務だ。