私の主催する勉強会で東海原発とJAEAを視察してきました。当初は議員十数人に4メディアとなるはずでしたが、前日に大幅なキャンセルがあり最終的には議員6人に1メディアとなりました。

 詳細な視察は東海原発の廃炉作業現場、JAEAの動力試験炉(JPDR)、ガラス固化技術開発施設(VTF)、リサイクル機器試験施設(RETF)、地層処分基盤研究所(ENTRY)、地層処分放射化学研究施設(QUALITY)、海洋ウラン捕集に関する研究の現状などです。

 商業炉としては初めての廃止措置に着手している東海原発。昭和41年に運転を開始し平成10年までの約32年間で運転を停止し、平成13年から廃止措置に着手してから現在も廃炉が進められている。東海原発は、天然ウランを使用する黒鉛減速炭酸ガス冷却炉(GCR)で出力は166MW。32年という比較的短い運転期間で廃炉となったのは、発電効率の悪さや低出力などが理由に挙げられている。

 ここから出る解体撤去物は線量の高いL1やL2から放射性廃棄物でないものまで全てで19万t、その廃炉工程に係る総事業費は885億円と言われている。しかし、L1やL2はHLWと同じで搬出先が見つからずL3についても地元との話し合いはこれからで、クリアランスと思われていたものも3.11時の放射性物質の飛来による線量増加の懸念があり搬出のメドが立っていないなどの問題がある。ちなみに、現在の解体量はL1が0t、L2が0t、L3が370tで本格的な作業はこれからというところだが、予定では来年度から炉心の解体がスタートすることになっておりL1L2の埋設場所を早急に見つけなければならない状況となっている。

 JAEAのVTFは数年前に海中放出管(直径200mm厚さ12.7mmのカーボン管)のトラブルを起こしていて、故障箇所の究明や修理に数年間もの時間を有している。この海中放出管は六ヶ所の再処理工場にもある。「福島でALPSが正常に動いたときに、これを海洋放出を伴う日本中の原子力施設に設置し、放射性物質の量を低減することは技術的に可能か?」と言う私の問いに、「YES」という回答。

 RETFは決算委員会で私が大臣に質問をした施設で、もんじゅの使用済み燃料を再処理するためのもの。800億円以上かけて平成12年に建屋が一応完成しているが、今までに一度も使われることなく建物の完了検査も終わっていない。それなのに県と村に13億円強の税金を課税されており、会計検査院からも手厳しい指摘を受けている。もんじゅの完成が見通せないので他の用途に供するべく検討をしているようだが、特殊用途の専用設計でオールステンレスのセル(13m×54m×22.0m)まで設置されたRETFの目的外使用の展望は描けていない。

 地層処分の研究所では実物大のオーバーパックや様々な研究を見て回る。パック内のHLWは数万年後に天然ウランと同じくらいの線量になるが容積は1/1500で、言い換えれば1500倍も危険な代物であって安全な物体であるとは決して言えないとのこと。

 海水中のウラン捕集については私が強く希望して日程に入れた。部会でも何度か発言しているが、「MOXはウラン資源の節約だ」とのたまうのなら海洋ウラン捕集に関する研究にもっと力を入れるべきだ。MOXでは1割しかウランを節約できないのに数兆円(あるいは数十兆円)もの費用を必要とする。それに対して海洋ウランは海がある限りほぼ無尽蔵に捕集できる。コストを問題にする向きもあるが昨今の研究成果によって、直近で天然ウランのスポット価格が8,800円/kgに対し海洋ウランは13,000円/kgと2倍を大幅に切っている。「核燃料サイクルはウラン資源の節約」というロジックの崩壊を恐れたのか、研究予算が数年前の数百分の一まで削られ今や300万円しかない。

 様々な矛盾を強く感じる一日だった。来月には青森県の六ヶ所や大間、むつの中間貯蔵施設を視察します。こちらもマスコミ同行OKですので、興味のある方は私の東京事務所まで連絡してください。