未来への想い Thoughts for the future

いま、世界のエネルギー情勢は大きな変革の時代を迎え、再生可能エネルギーは主力電源としての地位を確立しつつあります。国際再生可能エネルギー機関によると、2020年に世界で導入された再生可能エネルギーは260GWと世界中で導入された発電設備容量の8割以上を占めるに至りました。特に、中国では、世界全体の半分以上におよぶ136GWを導入しました。2020年1年間で72.4GWの風力発電(うち3GWは洋上風力)を、49.4GWの太陽光発電を導入し、風力発電・太陽光発電ともに新規導入量で世界最大の市場となっています。

また、再生可能エネルギーの導入量が拡大するにつれ、コストも大幅に低下してきています。すでに、世界の人口・発電量の約半分を占める国々で、新規導入の太陽光や陸上風力が一番安い電源になっています。既存の原発はもちろん、石炭やガスの発電より安くなっているのです。太陽光はサウジアラビアやポルトガルでは1.1円以下になっていますし、風力発電もモロッコやメキシコで3円から2円に、洋上風力もデンマークで5円台になってきています。世界的にみても、ここ10年で、太陽光は90%、陸上風力は40%、洋上風力はヨーロッパの先進国を中心に30%もコストが下がりました。 もちろん、わが国でもエネルギー転換が進みつつあります。総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、2020年で20.4%と、2018年に定められた2030年の目標値22−24%に迫っています。しかし、ドイツ47%、スペイン45%、イギリス45%といった諸外国と比べた時には決して高い数値ではありません。次期のエネルギー基本計画においては、45%以上の目標値を掲げるべきであると私は考えています。

2020年に菅総理は、2050年までのカーボンニュートラルを宣言しました。世界では、脱炭素に向けた競争が始まっています。EUは、2030年に再生可能エネルギーで電力の65%を供給する目標を掲げており、2035年にはガソリン車の販売を禁止し、電気自動車に切り替える政策を打ち出しました。世界的な成長分野である再生可能エネルギーの普及を進めることは、新たな国内産業の成長を進め、経済の活性化に間違いなく繋がります。それだけでなく、分散型電源である再生可能エネルギーの普及を進め、地産地消の取組を後押しすることは、地域に雇用を生み出し、地域経済の活性化にも繋がります。電力自由化により、一般電気事業者の電気収入約16兆円が解放され、地域に大きな経済効果をもたらすことも期待されています。再生可能エネルギーの普及を進めることは、環境面だけでなく、経済面でも大きなメリットをもたらすものといえます。

言うまでもなく、再生可能エネルギーは、CO2を排出せずエネルギーを得ることができる唯一の純国産電源であり、エネルギー安全保障に資する電源です。わが国を支えるエネルギーが、CO2フリーで安価な再生可能エネルギーであったらこんなに素晴らしいことはありません。現代の日本に生きる我々の選択は、次の世代の日本人にも非常に大事な選択です。次の世代の日本人にも「ありがとう」と言ってもらえる、そんな選択をしたいと強く思っています。

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