8月の臨時国会中に再生可能エネルギー普及拡大委員会と同議員連盟を開催。委員会はいわゆる部会というもので、党のオフィシャルな会議で委員長は片山さつき議員。議員連盟は党所属の有志議員で組織されたもので、会長は柴山代議士が務めている。私は、委員会の事務局長と議員連盟の事務局次長を務めている。

 委員会でも議員連盟でも東電PGの問題を取り上げた。東電PGの電力使用量通知遅延問題はとても深刻なレベルだ。臨時国会中の経産省の説明では遅延件数19,633件とされていたが、8月5日に明らかになった数字では19,715件と減るどころか増えている。このうち、4~5月分検針データのうち約3,000はデータそのものが確認できていない。つまり、どれだけ電気を使ったのか分らなくなっているということ。

 電力使用量の通知が遅れたり分らなかったら、新電力はユーザーに料金を請求できない。とんでもない事態だ。

 どの電力会社と契約したとしても、電力使用量は東電PGが検針をする(東電PG管内)。東電PGは新電力に検針データーを提供し、新電力はそのデーターに基づいてユーザーに電気料金を請求するのだが、この流れを国民の多くが理解しているとは到底言えない。そうなると矢面に立たされるのは新電力であり、料金を徴収出来ない上にユーザーからの信用も失うという泣きっ面にハチ状態の現状。東電PGには、一刻も早くこの状況を打開してもらわねばならない。

 ところが、所掌している省庁側のグリップがイマイチ効かない。この状況下で出来ることは、監視等委員会が業務改善勧告を出す→監視等委員会から大臣に報告し大臣が必要と判断すれば業務改善命令を出す→それでもダメなら罰金300万円。たったこれだけ。送配電を担っている唯一の事業者を営業停止に出来るわけもなく、罰金300万円では効果があるとは到底思えない。

 発送電分離も控えている中、今回の事を教訓にして新しいペナルティーを設けるなどグリップ力を上げる必要がある。

 再生可能エネルギー普及拡大委員会では、下記の通り提言を取りまとめました。今後は、当日出た意見を反映させるなどの修文を施した上で、総理や経産大臣に提出すべく調整中です。

平成28年8月2日
再生可能エネルギー普及拡大のための提言本文(案)
自由民主党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟

 再生可能エネルギーは、新たな産業を創出するとともに、地域に「しごと」や「ひと」をもたらし、地方創生やGDP600兆円の実現に寄与する。わが党は、再生可能エネルギーを最大限導入することを公約に掲げており、再生可能エネルギーの普及拡大を図るための具体的な政策を検討することが必要である。当議連では、再生可能エネルギーに関する様々な団体・企業等からヒアリングを実施し、その結果(詳細は別紙参照)を踏まえて、以下の通り、再生可能エネルギー普及拡大のための具体的な方策を提言する。

1 .再生可能エネルギーの更なる導入を可能にする系統の構築
 現在、北海道、東北、九州といった再生可能エネルギーの供給適地において、系統の空容量がないために系統の連系に制約が生じている。地域関連系線等の利用ルールの見直しや地域内基幹送電線の迅速な整備・増強といった対策をとることで、系統制約を一刻も早く解消するとともに、再生可能エネルギーを系統へ迅速に接続し、発電電力量予測技術の実用化と広域運用へ適用することで再生可能エネルギーをより一層導入すべきである。

2. 固定価格買取制度の的確な運用による再生可能エネルギーの導入拡大
 再生可能エネルギーの更なる導入拡大を図るためにも、改正FIT法を的確に運用するとともに、風力発電の買取価格について風力の開発に要するアセス実態等を踏まえ、事業者に不利にならないよう配慮するといった検証とともに、買取価格の調達区分についても適切な見直しを行うべきである。

3. 電力全面自由化による再生可能エネルギー電源の普及
 本年4月に始まった電力の小売全面自由化を適正に進めるために、一般送配電事業者に対する実効的な措置をとれる施策の検討をするとともに、太陽光100%表示など需要家の選択に資する電源表示を検討すべきである。なお、東電PGの検針トラブル問題については、1日も早い解決のため、対応策について期日を求めることも含め、強力な指導を行うべきである。

4. 再生可能エネルギーを活用した分散型エネルギーシステムの構築
 託送料金制度の見直しやネガワット取引市場の活性化のための仕組みの検討、デマンドレスポンス推進・検討のための委員会の活用を通じ、分散型電源導入を促す制度の構築、再生可能エネルギーを活用した分散型エネルギーシステムの構築を目指すべきである。

5. 再生可能エネルギー普及拡大のための規制緩和・ルールの整備
 新たな再エネ電源を設置するにあたり、様々な規制が支障となり、再生可能エネルギーの普及拡大の阻害要因となっている。したがって、環境アセスメント期間短縮の早期運用開始、「緑の回廊」における風力発電及び送電線の設置に係るルールの策定、国有地・保安林・林地開発行為等における要件の統一化、風力発電機用基礎の処分方法等運用の明確化、水力発電の開発にかかるデータ等開示のためのルール整備、既存のダム利用の際に生じる負担金のルール整備(バックアロケーション問題)、木質バイオマス発電の規制緩和といった、規制緩和やルールの整備を行うべきである。

6. 再生可能エネルギー普及拡大のための支援
 再生可能エネルギーを普及させるためには、規制緩和やルールの整備のみならず、人材育成支援、国産技術の活用や国内関連産業の振興を目指した、数値目標の設定を含めた競争力強化政策の実施、洋上風力発電工事用船舶の調達・運用の実現、地域社会による事業化の促進のための支援、バイオマス事業化施設整備に対する支援、バイオマス熱利用促進に対する支援、バイオマス発電の事業化の検証、昨年行われたグリーン投資減税見直しの効果を踏まえた検証、再生可能エネルギー由来水素の活用といった支援をすべきである。