いよいよ1日から電力全面自由化がスタートしました。高圧に加えて低圧も自由化されたことによって、全体で約18兆円の市場で本格的な競争が始まります。現在の時点で約270社の参入がありますので、自分に合った電力会社をしっかりと選んで頂ければと思います。

 電力会社を現在の電力会社から新しい電力会社に乗換える場合、現在の電力会社とは契約の廃止・新しい電力会社とは新規契約と言うことになりますが、消費者は新たに契約する電力会社に、「あなたから電気買います」と申し込めば全て終わりです。現在の電力会社に、「あなたから電気買うの止めます」と言う必要はありません。消費者が、新しい電力会社から電気を買うと言う意思を示したら、後は現在&新しい電力会社と送配電事業者の間で上手く処理することになっているからです。

 乗換える際、基本的にはスマートメーター(スマメ)というデジタルの計量器を取り付けることになります。この計量器ってナニ?と思う方がいるかも知れませんが、1度くらいは円盤がグルグルと回っている電気メーターを見たことがあると思います。あれが計量器なのですが、あれをスマメと呼ばれているデジタルの物に交換すると言うことです。

 このスマメの設置状況ですが、3月25日現在で以下の通りです。北海道電力91.3%、東北電力72.5%、東京電力41.6%、中部電力99.2%、北陸電力84.2%、関西電力96.5%、中国電力100%、四国電力82.3%、九州電力99.8%となっています。この数字を見れば一目瞭然で、東京電力の41.6%がいかに低いかが分かります。東京電力は3月中に23万台のスマメ設置工事を行うと自ら約束していましたが、25日までで10万台程度となっており、不誠実極まりない状況です。さらに、1日には4月どころか5月にずれ込むと言う内容の報道発表もしており、東京電力の辞書には厚顔無恥って載ってないのだと思い知らされました。

 先ほど、乗換え時には基本的にスマメを設置すると書きましたが、東電管内ではスマメに交換し難い状況となってしまっています。「じゃ、電力自由化と言っても乗換えられないじゃないか」と思う方がいると思いますが、グルグル回っているメーターを検針員さんに見に来て貰って、その時点の電力使用量をもって乗換えることが可能です。

 ただし、東京電力は、「電力会社を乗換える時はなるべく翌月の定例検針日にして下さい。」と言う発表をしていて、お願いベースですがイレギュラーな検針を忌避しています。この乗換え(イレギュラー)検針に東京電力は絶対に応じるべきであり、もし、これすら遅延するようであれば自社の小売部門の営業を停止してでも、乗換えスマメ設置をしっかりと行うべきです。なぜならば、東電管内の乗換えの半数以上は、東電の既存メニューから東電の新メニューだからです。つまり、殆どのスマメ設置工事は東電から東電に乗換えるユーザーのための工事なのです。こういう時って世の中の一般的な感覚だと、自らの不手際で招いた状況なのだから、自社の工事をせっせとするよりも、他社を優先するべきとなるのでは?

 電力取引監視等委員会の「適正な電力取引についての指針」の中では、「需要家情報へのアクセスの公平性及び円滑なスイッチングを実現するために、広域機関及び一般送配電事業者がスイッチングの申込み状況に応じて対応能力を増強し、スイッチングが適切に行われる環境を確保することは、公正かつ有効な競争の観点から望ましい」とあります。東京電力にはもちろんですが、広域機関(国)にも適正なスイッチング状況を確保する責務があります。今のような状況で甘んじていて良いはずがありません。早急な工事力の強化が必要な事は火を見るよりも明らかですが、場合によっては経産省から事業者への厳しい措置も必要だと私は思っています。

 最後に、そんな事業者の勝手な都合なんかで翌月の検針日まで待ってられないという方へ。

 電力会社が、送電網で電気を送る際のルールを規程している託送供給等約款には、「需要者への電気の供給を新たに開始される契約者は、あらかじめ当該需要者に係る供給地点への託送供給の開始希望日を定めて、当社に申し出ていただきます。この場合、当社は、契約者と協議のうえ開始日を定めます。ただし、開始申込みが廃止申込みより先だって行なわれた場合で、当該需要者への電気の供給を廃止される契約者からの当該供給地点への託送供給の廃止の申込みが開始希望日の 2 暦日前から起算して 8 営業日前の日の 1 暦日前(記録型計量器を取り付けている場合は廃止希望日の 2 暦日前から起算して 1 営業日前の日の 1 暦日前といたします。)までに行なわれなかったときには、当社は、当該開始申込みの承諾を取り消します。」とあります。

 これ、読んでも意味がチンプンカンプンかも知れませんが、要約すれば、「事業者は、消費者から乗換えの申し込みがあったら8営業日+2暦日経ったら契約しなくてはならない。」と言うことです。消費者の方々は、覚えておいて損はありません。