再生可能エネルギーのひとつである木質バイオマス発電は、林業の振興や地方経済への貢献という大きな期待がかけられている電源である。しかし、始めたは良いが燃料であるチップを集めるのに苦労しているという話をよく耳にする。

 その要因のひとつは、わが国のバイオマス発電炉はしっかりと乾燥させたチップしか燃料に使えないためだ。よって、良質な丸太から作ったチップをエネルギーを使って乾燥させ燃料にしている。良質な丸太を木材として利用したい者と、チップにして炉の燃料としたい者が奪い合っている状況なのだ。林業の現場や製材所で必然的に発生する残材(林地残材、剪定枝、端材、バーク等)を燃料にすることが出来れば、燃料調達は楽になるし林業も残材処理に頭を悩ますことが少なくなるはずだ。

 ところが、わが国のバイオマス発電炉は石炭火力炉などの技術を基に作られていて、バイオマス燃料を効率良く燃焼させることを最優先に設計されていない。それなら、海外からバイオマス専用に設計された高性能炉を輸入すれば良いではないかと思うかもしれないが、電気事業法・発電用火力設備に関する技術基準を定める省令・発電用火力設備の技術基準の解釈などにより非常に難しい状況になっている。これらの運用によって、世界基準である米国機会学会(ASEM)が定める規格(安全率3.5)よりも厳しい基準(同4.0)となっているためだ。この規制は緩和する必要がある。

 昨年の夏ごろから基準改正の必要性をエネ庁に指摘をし、今秋の改正を目標に技術的調査を続けてもらっている。

 高性能な炉が入ってくることで多様な木質バイオマスを燃料とすることが可能になる。そのときには、残材よりもチップ由来の電気のほうを高く買い取ることになっているFIT制度について、発電事業者が残材を燃料とすることにインセンティブを持たせるよう政策的誘導が必要かもしれない。国内産業の振興という観点では、海外の炉を輸入して良しと終わりにするのではなく、国産炉の技術開発にも力を入れることも考えなくては。

 再エネを伸ばしていくために、出来ることをひとつひとつ積み重ねていく。