各電力会社が再エネの接続について「回答保留」とし始めている。太陽光などがピーク時需要を大幅に超えてしまったためで安定供給に支障があることなどを事実上の接続拒否の理由にしている。確かに、そうした一面が無いとは言えず送電網の強化が喫緊の課題であることは間違いないが、それだけが理由と鵜呑みにするのは早い。

 例えば、再エネ接続について「回答保留」事由を、最小需要時に太陽光発電100%と想定していた会社は、4月に原発再稼動を要請したときには、太陽光発電の出力比を34%と見積もっていた。自らに都合の良いときは設備量最大値を見込み、都合の悪いときは設備利用率(気候などに左右される)として低く見ているということに他ならない。さらに、気候に関係なく安定的に発電する地熱発電やバイオマス発電まで、一括して「回答保留」扱いとしているのも問題だ。これによって、自社の原発や火力などの大型電源を優先的に接続するということが起きたとすると、系統利用の公平性に疑念を持たざるを得ない状況にさえなりかねない。

 地域間の連系線が細いということも理由の一つに挙がっている。確かに連系線を太くすることも必要だが、その前に今あるものをシッカリと使うことが求められる。北海道と本州をつなぐ北本連系線の運用容量は60万kwとされているが、平成21年度から25年度までの利用状況は以下の通り。 この数字を見る限り震災の年でも容量の70%ほどしか使っておらず、通年は持っている容量の1割すら使っていないことが分かる。
 

  平成21年度  22年度  23年度  24年度  25年度 
北海道~本州  3.7  11.1 44.7   2.4 2.1 
 本州~北海道  0 0.1   0.1 7.7   5.8

(単位は万kW)

 「再エネの導入が進んでいる欧州は陸続きだが、日本は島国だから他国との連系が難しい」という議論も耳にするが、日本の各電力会社の規模はそれぞれが欧州の一国に匹敵するほど大きい(例えば東電は英国並み)のだ。従って、必ずしも他国と連系していなくとも、電力会社間の連系で広域運用は十分可能なはずだ。

 再エネの拡大にストップをかけてはならない。