福島第一原発の事故による福島の除染については、国が除染を代行して費用は後で東電に求償するというスキームになっている。国が除染を代行する財源には復興予算が充てられているので、東電が求償に応じない場合は復興予算に穴があくということになる。国側の実施官庁は環境省がメインになっているが、実は内閣府にも除染に関係する予算がある。

 この内閣府における東電への求償状況については、今年の2月の時点で執行額1895億円のうち求償額は16億円だった。1%にも満たない求償額もお粗末だったが、それでも東電は1円も応諾していなかった。半年経ってどのような状況になっているかと部会で質問したところ、執行額2015億円に求償額136億円で東電の応諾額が103億円との回答だった。

 状況的には改善の方向かと思いきや、提出を要求した詳細を記したペーパーを見て驚いた。

○内閣府における東京電力への求償状況について
県民健康管理による除染等事業
実施主体福島県/執行額1895.3億円/第一回求償額(14.2.19)15.7億円/第二回求償額(14.5.28)0円/第一回応諾額(14.6.20)1.3億円
除染モデル実証事業
実施主体JAEA/執行額119.9億円/第一回求償額(14.2.19)0円/第二回求償額(14.5.28)119.9円/第一回応諾額(14.6.20)101.3億円

 求償額や応諾額が増えたのは、国(JAEA)が直接やった事業の数字が増えただけだった。相変わらず内閣府は求償していないし東電は応諾しないという構図に何ら変化はなかった。後から除染を担当した環境省の求償状況(求償額662/応諾額362億円)も良くはないのだが、それでも内閣府よりはよっぽど厳しく対応している。

 この内閣府の求償については、府内の原子力被災者生活支援チームが担当しているのだが、実は、このチームのほぼ全員が経済産業省の出身者で占められている。チーム編成が原発推進官庁の経産省に極度に偏っていることから、求償状況について「東電に配慮しているのでは?」という批判があるのも事実。

 復興予算に穴をあけることは絶対に許されない。