福島第一原発に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設について、日本環境安全事業(JESCO)株式会社法を改正するということを多く耳にする。環境省に確認したところ、JESCOも候補のひとつではあるようだが、決定したわけではなく検討中というのが現状のようだ。

 民主党政権下の24年7月13日の野田内閣による閣議決定に基づき、福島に中間貯蔵施設を建設し2,800万立米以上ともいわれている除染廃棄物を搬入、30年後までに福島県外で最終処分することを県と国とで約束し、地域振興策としての交付金措置も含めて法律にするらしい。地元の建設同意を前提に、今国会中にも改正案を提出する方針のようだ。

 この約束って本当に守れるのだろうか。

 除染計画に基づく除染土壌等の推計発生量は、8,000Bq/kg以下が約1,006万立米、8,000Bq/kg~10万Bq/kgが1,035万立米、10万Bq/kg以上が1万立米、焼却灰その他で157万立米と、現時点で推計不可能なものもプラスして2,800万立米を前提としている。これって東京ドーム数十杯分にもなるとんでもない量だ。私の地元の千葉県でも放射性指定廃棄物等の最終処分地を選定する作業が関係者の大変な苦労の中進められているが、この量が5,000立米ちょっとであることと比較しても2,800万立米という数字がいかに大変な数字であるかが分かる。

 環境省に尋ねると「減容化するから量は減ります」と必ず言うのだが、この減容化という言葉にダマされてはいけない。この減容化というのは土壌中の若干の可燃物とセシウムであって、大部分の土壌についてはセシウムを取り出すために使う添加物によって1.5倍以上と逆に増えてしまうのだ。ただし、この増えてしまう残渣については100Bq/kg以下と、非常に低いクリアランスレベルであると思われる。(残渣がクリアランスレベルであることは非常に重要なファクター。もし、クリアランスレベルにすらならない技術を採用しようものなら、回収物も残渣も両方とも放射性のゴミになってしまう。減容化技術については、残渣がクリアランスレベルであることが絶対条件である。)

 それでも放射性由来の残渣の利用について理解を得るのには相当の努力が必要になるであろう。しかし、この残渣の利用方法を私たちは真剣に考えなくてはならないと思う。少なくとも、「30年後」と約束するのであれば、国や自治体に公共工事で当該残渣の利用を義務付けることは最低限必要だ。

 福島の復興のためには中間貯蔵施設は必須、減容化技術も必須であることは間違いなく強く推進していきたい。しかし、「30年後に県外で最終処分」などと見通しもないのに安易に約束することが本当に良いのか非常に悩ましい。地域振興策として交付金を出すことを含め、「第二の核燃料サイクル」になりやしないか今から心配だ。

 どうやったら、この心配が杞憂で終わるかを真剣に考えていきたい。