原子力損害賠償支援機構の一部を改正する法律案について党の部会で審議を重ねている。今の機構の機能を強化する内容で主な改正点は9点。

1.組織の名称を「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に改称。法の目的に「廃炉等の適切な実施」を追加。
2.廃炉等関係業務の意思決定機関として、「廃炉等技術委員会」を法定するとともに、副理事長を新設し、理事の人数を増加。
3.廃炉等に関する専門技術的な助言・指導・勧告。
4.廃炉等に関する研究及び開発の企画・推進。
5.特別事業計画を通じた廃炉実施体制に対する国の監視機能の強化。
6.廃炉等に関する業務の一部を事業者からの委託により実施可能。
7.特定の廃炉等に関する融資・出資等。
8.廃炉業務を通じて得られた知見・情報の国内外への提供。
9.主務大臣への廃炉業務の報告、これを主務大臣が公表。

 なぜ、廃炉等の原子力技術をJAEA(文科省)ではなく経産省が所管するのか。4と8の廃炉部門は経産省と文科省の共管ではあるが、なぜ、それに関する2の委員会は経産大臣だけが認可するのか。IRID(国際廃炉研究開発機構)やJAEAとの役割分担がよくわからない複雑多岐な形になる。5による大臣の措置命令の担保が不確実な可能性など、疑問は多々あるが一番の問題は7の融資・出資規定だ。

 これは、損害賠償額が多額とならない原子力事故の場合でも、事故炉の廃炉対策について、必要な場合には機構から事業者に対して融資・出資等を可能とする規定を整備するもの。つまり、事故を起こす前から、「もし、原発で事故を起こしたら国がお金を貸してあげますからご心配なく。」というもの。

 福島の事故による東電(経営や株主、金融機関)の責任論すらあいまいなまま、次の事故については国が補償しますと今から約束するトンデモ規定だ。どうしたら、こんな案を考えつくのだろう。本来、事業者は事故のリスクを考えて当該費用を用意するべきであるし、金融機関はそれを想定した上で融資・出資の可否や利率の判断をするべきだ。党のエネルギー政策議員連盟のエネルギー基本計画への提言でも、事故の賠償や廃炉費用については、当該費用を事業者に拠出金として積み立てることを義務付けている。

 2度ほど開催された部会で、私は7について反対の意を強く述べた。その結果、7はペンディングとなり部会の執行部預かりとなっている。よもや法案の成案から7の規定は落ちると思うのだが・・・。もし、この規定が残っていたら法案に賛同するか思案せねばならなくなる。