8月19日に発生したH4エリア№5タンクからの漏洩について、発生直後の自民党の部会で規制庁から「当該タンクは当初H1エリアに設置されていたのだが、設置個所に地盤沈下が発生したことにより撤去しH4へ移設したものであることが判明」との説明があった。この「判明」という表現が非常に気になったので、その場でこのことについて説明を求めた。規制庁からは少なくとも自分たちは漏洩が起こるまで移設の事実を知らなかったので、東電本店か現場レベルということになるが詳細は追って報告するとの回答があった。

 9月5日に福島第一原発を視察した際に、このことについて東電にも直接説明を求めた(この時点で規制庁からの回答はなかった)。東電からは、視察終了時までには回答する旨の発言があったが結局その日のうちに回答を得ることはなかった。そこで9月25日に規制庁と東電が出席する会議があったので、その場でこのことについて回答がない点を指摘することにした。そして、今日ようやく規制庁からこのことについての報告があった。内容は以下の通り。

タンク移設の経緯(東電に確認)

平成23年6月16日にH1にタンク設置

平成23年7月19日にタンクの水張り試験においてタンクの地盤が沈下

平成23年8月ごろにタンクを解体

平成23年9月中旬から11月中旬に当該タンクをH4エリアに移設

規制庁の対応

平成25年6月5日~18日
現地原子力規制事務所が保安検査においてH1エリアのコンクリートにひび割れを確認

平成25年6月14日
規制庁が東電にH1エリアのコンクリートのひび割れについて聴取。その際、2年前に地盤沈下によりひび割れが発生し、H1から当該タンクを撤去していた旨の説明を受けた(この時点ではH4エリアに移設した説明は受けていない)

平成25年8月19日
H4エリアの当該タンクから漏洩が発生

平成25年8月25日
東電より規制庁に対し、H4エリア漏洩発生タンクが当初H1エリアに設置されていたことや、H1エリアで当該タンクが設置された基礎で地盤沈下が起こったためH2エリアに設置する計画であったが、実際にはH4エリアに設置されていたことが判明した旨の報告があった

 つまり、この報告が正しければ、規制庁は漏洩後の東電の報告までH1で地盤沈下により撤去されたタンクがH4に移設されていたことを知らなかったし、東電(本店)はH2へ移設する計画だと思っていたタンクがH4に移設されていたことを知らなかったということになる。これは、タンクの設置や管理について全体像を把握している者が誰もいないということを如実に表しており大きな問題だ。

 この問題のポイントを挙げればきりがないほど思い浮かぶが、たとえば、地盤沈下により問題が生じたタンクを再利用することを東電は規制庁に報告しておらず、自分たちの判断で再利用を決定し移設しているにも係わらず、移設先については計画外のH4へタンクが設置されていることすら把握出来ていなかった。これは、問題のあったタンクを監視し管理していなかったことの裏返しであり、どう考えてもH4へ移設されたことを知らなかったなどというのは理解に苦しむ。やはり、移設や再利用の可否については規制庁へ報告するべきであるし、少なくとも地盤沈下によって撤去したいわくつきのタンクをもっと厳重に監視し管理することが最低限の方策だ。それすらしていなかったのだ。

 あまりにも多くのタンクが乱立し移設まである中で管理が杜撰になっている点は否めない。こうしたことを再び起こさないための方策の一つとしては、それぞれのタンクごとに施工や管理を行う業者を特定し把握することが考えられる。こんなことはここで指摘するまでもなく当然やっているものと考えていたが、今日の時点で規制庁はまったく把握していないらしい。それは一義的には、東電が当然に把握しているものと考えていたらしいが、今回のことをみれば東電にはその能力がないことは明らかであり、規制庁としての対応を検討するよう話をする。少なくとも、H4エリア№5タンクについてH1設置時から現在までの施工と管理についてすべての業者名を近日中に報告するよう依頼。

 世界に向けて言霊を発した以上は実現しなければ。