決算行政監視委員会(第3分科会)で経済産業大臣に核燃料サイクルの質問をしました。質問の枠を確保するのに紆余曲折があったので協力してくれた方々に感謝の意を述べてから質問スタート。偶然のめぐり合わせで分科会の主査(委員長の役)がエネルギー政策と言えばの河野太郎代議士。これにはちょっと驚いた。

 前回の委員会での私の「サイクルに対する所見は」という質問に、茂木大臣は「しっかり進めていきたい」とだけしか答えなかった。ハッキリ言ってゼロ回答。

 しかし、日本最高レベルの科学者の機関である日本学術会議から政府に対し、「回らないサイクルを無理に回すのではなく、その手前で止めときなさい。そして原子力政策を進めながら出口を探るのではなく、出口を見つけてから原子力政策を進めなさい。」という趣旨の提言が直近で出されている。政府の05年原子力政策大綱にも直接処分の研究を進めるとある。

 それなのにゼロ回答はないだろう、というのが最初の質問。

 再処理工場のプールについての質問は、搬入されている使用済み核燃料と再処理事業費の相関関係について。再処理工場には3,000トンのプールがあり、電力各社から運び込まれた使用済み燃料でほぼ満杯の状態になっている。そしてこれに対して電力会社から再処理費用として年間で約2,700億円が支払われている。再処理工場は稼動していないのにだ。

2013年6月20日時点の六ヶ所再処理工場の使用済み燃料貯蔵状況と支払額
 

北海道電力  112  82 
 東北電力 101 117
 東京電力 889 1,046
 中部電力 242 240
 北陸電力 15 51
 関西電力 717 519
 中国電力 124 118
 四国電力 167 107
 九州電力 393 283
 日本原電 176 179
 合計  2,937トン  2,741億円


 トン当たりで割り返しても支払額と相関関係が認められない。また、貯蔵量が約2000トンくらいだった2006年の支払額も約2700億円。つまりこれは再処理工場が動いていなくても、基本料金として支払われている。そしてこの基本料金部分は40年間という約束で、総括原価方式により我々の電気料金に上乗せされている。これ自体も問題だがさらに問題がある。この基本料金は総括原価で積み上げられたものから前払いのように支払いがスタートしており、動いていない工場の稼動時期とズレが生じているのだ。もしこの先、仮に工場が稼動したとしたらこのズレの期間の年間数千億円という莫大なお金を誰が払うのか。まさか、電気料金に上乗せするなんてことはありませんよね、と質問。

 新たに電気料金に転嫁することはないとの答弁だったので、これから先の電気料金値上げ申請時にはしっかりとチェックしなきゃならない。ただ、このズレの部分はすでに1兆円を優に超えているとみられ、これほど莫大な費用を民間会社が本当に支払えるのか疑問。

 少しでもこのズレを少なくするためにも、東電と原電の分についてはむつに運び込む方策もあるのでは、と尋ねるも地元との関係で難しいとの答弁。仮に地元が了承したとしても原燃の経営上の理由でできないだろう。アクティブ試験をおこなった時点でプールや放射能の管理が必要となり、莫大な経常経費がすでに発生しているからだ。再処理後の出口が見えないのに、試験はおこなうべきではなかったのではないだろうか。

 次に、この再処理工場へ使用済み核燃料を輸送している会社について質問。この輸送会社は、電力各社が大部分を出資して作った原燃輸送株式会社。全国のサイトから六ヶ所へ使用済み燃料を運んでいて、各年の輸送実績は次の通り。
 

H16  524トン   
H17  425トン   
H18  540トン   
H19  266トン   
H20  391トン   
H21  239トン   
H22  93トン   
H23  85トン  44億円 
H24  18トン   


 各年の輸送費について事前に資料要求するも出てこず。かろうじて出てきた23年の数字がトン当たり約5,000万円。この会社の輸送費も再処理工場のプールみたく基本料金ではないだろうねと質問。最初の答弁は、トン当たりで従量制と。・・・おかしい、政府の発表しているバックエンドの費用でこの輸送費は9,200億円とされており、搬入予定の32,000トンに5,000万円をかけても数字が合わない。その点を指摘すると慌てて答弁を基本料金が多くを占めていますと。では、まさかそれは総括原価で電気料金に転嫁されていないですよねと聞くと、「・・・されています」とか細い声で答弁。お~い、この闇はどこまで深いんじゃ。

 続いて、プルサーマル炉で消費されるプルトニウムの量と再処理で出てくるプルトニウムの量に矛盾があると指摘。現存するプルサーマル炉で燃やせるプルトニウムは大間を入れても4トン弱(燃えやすいプルトニウム量)にしかならない。大間を抜くと3トンを割り込むような数字であり、再処理で出てくる4トン強のプルトニウムすら燃やしきれない。さらに、日本は約45トンものプルトニウムをすでに保有している。これをどうやって燃やしていくのか。

 どこをどう切って見ていってもこのサイクルは回っていない。このサイクルからは撤退してサイクルに入る前の段階で踏み止まるのが今を生きる我々や次の世代への正しい選択だと思っている。イバラの道だろうけれども、政権与党の自民党にいるからこそ、これからも核燃料サイクルからの即時撤退を訴え続けたい。

 未来の日本人に今の我々に感謝してもらえるような、次代に責任のもてる政策を選択したいから。